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太陽光発電システム設置工事の状況(太陽光パネルの設置)

架台が組みあがったらいよいよ太陽光パネルの設置にうつります。設置工事の「メインイベント」といったところでしょうか

太陽光パネル設置状況(1段目)

太陽光パネル設置状況(1段目)

パネルは1枚あたり定格(最大)出力100WのCIS系のもので、サイズは638×1231mmです。質量が8kgと軽量で、屋根上での取り扱いは比較的容易なようです。なお、手順としては最も下段のパネルからの設置になります。横方向に最下段の1段を並べ終わったら、水平部材をパネルの上端に押し当て、その段の固定をする模様(水平部材はレールに沿ってスライドさせることができます)。併せて、パネルの裏面から出た電力出力用のケーブルの接続及びフレームへの固定(配線の整理)をしながら着々と作業は進んでいきます。

太陽光パネル設置状況(4段目まで)

太陽光パネル設置状況(4段目まで)

下から4段目まで進んでしばしの休憩タイム。朝から設置工事をはじめておおよそ8時間が経過しています。パネルの設置完了まではもう一息、時間的にはあと1時間程度といったところです。

太陽光パネル設置状況(完了)

太陽光パネル設置状況(完了)

日没前までにはパネルの設置は完全に終わりました。パネルからまとめられた電力出力ケーブルはPF複層管に収められ、軒裏の目立たない位置から住宅内へと引き込まれています。

パネルの色は半つや程度の黒色で落ち着いた印象を受けます。銀黒の瓦とも調和が取れ、しっかりと馴染んだように思います。


太陽光発電システム設置工事の状況(架台の設置)

屋根の上では、架台の設置準備が着々と行われています。

瓦の一時撤去状況

瓦の一時撤去状況

架台の設置のため、ベース固定位置周辺の瓦が部分的にはがされはじめました。こういった作業はお天気のいい日に限りますね。瓦はそれぞれで野地板に釘で固定されているので、綺麗にはがすのは手間が掛かるように思います。新築時のアスファルトのルーフィングがところどころ見えますが、これまでにおける劣化も見られず問題ない状態のようです。

架台取付金物用補強合板

架台取付金物用補強合板

架台のベースの取り付けをサポート(補強)する合板(厚さ12mm)が仕込まれていきます。この合板は最低2本の垂木と数本のビスで接合されることとなり、架台のベースはこの合板に5本のビスで固定されることになりますから、ベースの保持強度を確保するには充分と考えられます。なお、ベースは瓦の屋根面の上まで立ち上がってくることになりますから、瓦を部分的に切りかぐこととなります(もちろん防水の面で問題を起こさない下側の位置です)。なお、固定ビスの周辺その他にもコーキングが行われ防水面での心配はなさそうです。

太陽光架台の設置状況(垂木方向)

太陽光架台の設置状況(垂木方向)

合板に固定されたベースに垂木方向の架台部材が固定されました。強度面では申し分なく、また、瓦のおさまりも綺麗です(←これは重要だと思います。もしも部分的にひずみがあれば将来的な漏水の原因になりかねませんから)。

太陽光架台の設置状況(完了)

太陽光架台の設置状況(完了)

垂木とは直角方向に水平部材が取り付けられました。主に部材は2種類あり、ひとつが太陽光パネルの中央付近を鉛直方向に支えるもの、もうひとつがパネルの端を固定するもののようです。共に、垂木方向(傾斜方向)に水平部材を自由に移動及び固定することができるようです。


パワーコンディショナ(パワコン)を設置すべき位置!

パワーコンディショナ(略してパワコン)は、太陽光パネルから出力される直流電力を交流電力に変換して電力会社の電力網と連係接続する重要な機器です。構造が複雑なので太陽光発電システムの中で最もデリケートなものとも言えるでしょう。それだけに期待寿命も一番短いのではないかと思います(概ね10~15年くらいで交換が必要なようです)。

パワーコンディショナ(パワコン)

パワーコンディショナ設置状況

実はとっても頭を悩ませたのがこのパワコンの設置場所でした。パワコンは一言で言えば「電気の変電所」みたいなものです。導入するパワコンは定格出力4kWのものですが、大きさは概ねランドセル2個分くらい。質量は15kg程度になります。小ぶりのエアコンの室内機くらいに相当しそうですね。

パワコンは電力を変換するものですから作動する(発電している)時に、熱、音(振動)、電界(電磁波)を発生します。本質的には居住空間から離して屋外などに設置すべきなのでしょうが、今回の場合、メーカーの仕様で屋内設置のものと決まっております。ちなみに屋内に設置する場合ほとんどの方は住宅の分電盤の近くに設置されているようです。電力ロスの最小化といえば聞こえがいいのですが、こういった位置に設置する最大の理由は「工事の容易さ」にあると思います。したがって、分電盤のある位置、すなわち洗面脱衣所や廊下に設置されるケースが多くなるようです。

私の住宅の場合、洗面脱衣所に隣接する廊下に分電盤を設置しております。その分電盤の隣は一つの候補となりえるのでしょうが、外壁に面さない中廊下なだけに夏場はとても熱がこもりそうです。

さてここで、パワコンの発生する熱量がどれくらいになるか見積もってみることにしました。パネルの定格出力が3.6kWですから、晴天時は概ね連続で3kW程度発電すると仮定します。パワコンの効率が95%とカタログにありますから発生するロス(すなわち熱)は発電量の5%に相当します。3kW×5%で、150Wとなります。

数値としては電球数個分なのでドライヤーなどに比べれば大きくはありませんが、昼間の比較的長時間に渡り熱を発生するので周囲はとても暑くなりそうです。パワコン自身にとっても周囲が暑いのは絶対好ましくないはずです

そこで廊下よりも空間がひらけている洗面脱衣所はどうかと考えました。外壁に面しているため換気がとりやすく熱がこもることはなさそうですが、電気機器であるがゆえに風呂場からの湿気がとても気になります

お風呂に入る夜の時間帯においては太陽光は発電しませんのでパワコンは停止しているはずです。放熱性能がとても重要なパワコンですから深夜になれば冷え切ってしまっているはずです。そこに湯気が当たれば当然結露してしまいそうです(実際、冬場の洗面台の鏡は風呂の扉の開け閉めでよく結露していますからね・・・)。

以上を踏まえて、パワコン設置にふさわしい条件は、

  • 熱がこもらないこと(すなわち空気が循環すること)
  • 湿気の影響を受けないこと
  • 居住空間から離れていること(音、振動、電磁波)

これらの条件の中から出した設置したい位置は玄関もしくは階段部分(吹き抜け)です。分電盤からの距離と配線の施工可否を踏まえ階段部分の壁面(ちょうど階段の1段目の頭上)に取り付けることとしました。この位置は2階へ吹き抜けていますから熱の心配はなしですし、階段は居住空間でもありませんし、湿気の問題もありません。また、分電盤までの距離も4m程度ですから電力ロスもそれほど大きくないと判断しました。梁の通っている高さですから、機器の固定にも申し分なしです。