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パワーコンディショナ(パワコン)を設置すべき位置!

パワーコンディショナ(略してパワコン)は、太陽光パネルから出力される直流電力を交流電力に変換して電力会社の電力網と連係接続する重要な機器です。構造が複雑なので太陽光発電システムの中で最もデリケートなものとも言えるでしょう。それだけに期待寿命も一番短いのではないかと思います(概ね10~15年くらいで交換が必要なようです)。

パワーコンディショナ(パワコン)

パワーコンディショナ設置状況

実はとっても頭を悩ませたのがこのパワコンの設置場所でした。パワコンは一言で言えば「電気の変電所」みたいなものです。導入するパワコンは定格出力4kWのものですが、大きさは概ねランドセル2個分くらい。質量は15kg程度になります。小ぶりのエアコンの室内機くらいに相当しそうですね。

パワコンは電力を変換するものですから作動する(発電している)時に、熱、音(振動)、電界(電磁波)を発生します。本質的には居住空間から離して屋外などに設置すべきなのでしょうが、今回の場合、メーカーの仕様で屋内設置のものと決まっております。ちなみに屋内に設置する場合ほとんどの方は住宅の分電盤の近くに設置されているようです。電力ロスの最小化といえば聞こえがいいのですが、こういった位置に設置する最大の理由は「工事の容易さ」にあると思います。したがって、分電盤のある位置、すなわち洗面脱衣所や廊下に設置されるケースが多くなるようです。

私の住宅の場合、洗面脱衣所に隣接する廊下に分電盤を設置しております。その分電盤の隣は一つの候補となりえるのでしょうが、外壁に面さない中廊下なだけに夏場はとても熱がこもりそうです。

さてここで、パワコンの発生する熱量がどれくらいになるか見積もってみることにしました。パネルの定格出力が3.6kWですから、晴天時は概ね連続で3kW程度発電すると仮定します。パワコンの効率が95%とカタログにありますから発生するロス(すなわち熱)は発電量の5%に相当します。3kW×5%で、150Wとなります。

数値としては電球数個分なのでドライヤーなどに比べれば大きくはありませんが、昼間の比較的長時間に渡り熱を発生するので周囲はとても暑くなりそうです。パワコン自身にとっても周囲が暑いのは絶対好ましくないはずです

そこで廊下よりも空間がひらけている洗面脱衣所はどうかと考えました。外壁に面しているため換気がとりやすく熱がこもることはなさそうですが、電気機器であるがゆえに風呂場からの湿気がとても気になります

お風呂に入る夜の時間帯においては太陽光は発電しませんのでパワコンは停止しているはずです。放熱性能がとても重要なパワコンですから深夜になれば冷え切ってしまっているはずです。そこに湯気が当たれば当然結露してしまいそうです(実際、冬場の洗面台の鏡は風呂の扉の開け閉めでよく結露していますからね・・・)。

以上を踏まえて、パワコン設置にふさわしい条件は、

  • 熱がこもらないこと(すなわち空気が循環すること)
  • 湿気の影響を受けないこと
  • 居住空間から離れていること(音、振動、電磁波)

これらの条件の中から出した設置したい位置は玄関もしくは階段部分(吹き抜け)です。分電盤からの距離と配線の施工可否を踏まえ階段部分の壁面(ちょうど階段の1段目の頭上)に取り付けることとしました。この位置は2階へ吹き抜けていますから熱の心配はなしですし、階段は居住空間でもありませんし、湿気の問題もありません。また、分電盤までの距離も4m程度ですから電力ロスもそれほど大きくないと判断しました。梁の通っている高さですから、機器の固定にも申し分なしです。